一般外科とは
一般外科で治療を行う主な疾患
一般外科で行う主な診療
すり傷
- 皮膚の一番外側にある部分(表皮)が、何らかの原因によって擦りとられ、剥がれている状態がすり傷になります。傷自体は浅いものの、表皮の部分は神経が走っている箇所でもあるので、ただ擦って表皮のみに炎症があるという場合でも、深い切り傷を負った場合よりもヒリヒリと感じる痛みは続くようになります。
- それでも傷そのものは程度が軽いので、そのままにするという方も少なくありませんが、放置が過ぎると細菌などに感染し、化膿してしまうこともあります。また砂などを傷の中から取り除けないという場合は、傷跡が残ってしまうことも考えられます。そのため、治療はできるだけ速やかに行うようにします。
切り傷
- 鋭い器物(ガラスや刃物 等)によって、傷口が鋭く切断された体表の傷が切り傷で、日常生活でよく経験するもののひとつです。この場合、周辺組織につぶれはみられません。傷の程度というのは、損傷した組織の深さや幅によって診断内容は異なりますが、人によっては損傷の領域が、神経・腱・骨といった部位にまで及んでいることがあります。
- なお縫合処置をすぐにでもしなくてはならない状態とは、傷が血管や神経、腱までに達していて、完全に断裂してしまっている状態です。このほか、切り傷から土やサビが混入してしまった場合は、重篤な感染症である破傷風などを罹患してしまうことがあるので、その場合は予防のために抗製剤を使用していきます。
- また縫合処置は、多量な出血をしている場合にも行われますが、この場合は糸で縫うことで傷口を塞ぐということだけでなく、創傷閉鎖用テープ、医療用ホチキスを用いるなどしていくこともあります。
良性腫瘤の摘出(粉瘤・脂肪腫など)
粉瘤や脂肪種といった良性腫瘤の摘出も当クリニックで行っていきます。
粉瘤について
- 粉瘤とは、皮膚の陥入によって真皮内でつくられた袋に老廃物や皮脂が溜まったことによる半球状の腫瘤のことを言います。通常は直径1~2cmほどですが、場合によっては10cm以上になることもあります。
- 発症部位としては、顔、首、背中、耳の後ろ側、鼠径部にできやすく、見た目だけで言えばニキビにも似た腫瘤ですが、中央部に黒い点がみられるのが特徴的です。また自覚症状は現れませんが、患部が細菌に感染するなどして炎症するようになると発赤や腫脹、患部を押すと感じる痛みなどがみられるようになります。外科的治療(腫瘤の切除)を行う場合は、粉瘤自体が大きくなって神経を圧迫している、稀ですが悪性腫瘍が(有棘細胞がん、基底細胞がん)発生する可能性があるという場合です。切除する際は、局所麻酔薬の環境下で行うので日帰り手術がほとんどです。
- なお感染している場合(炎症性粉瘤)は、切開して排膿し、抗菌剤を使用するといった治療を行います。
脂肪腫について
- 良性腫瘍のひとつで、脂肪組織がまるで腫瘍みたいに増殖している状態が脂肪腫です。大きさは直径1cmもあれば、10cmもあるなどいろいろで、単発な場合もあれば多発することもあります。皮下に軟らかい固まりとして存在し、40~50代で発症しやすく、全身どこでも発生する可能性がありますが、肩や背中で起きやすいと言われています。
- 軟部組織の良性腫瘍としては発症しやすく、原因は不明とされていますが、ある程度の遺伝性や外傷などがきっかけで起きるのではないかと考えられています。
- 自覚症状などはありませんが、大きくなって神経を圧迫することで疼痛が出るなど、体に悪影響を与えるという際に摘出をするための外科的治療を行います。この場合は局所麻酔下による日帰り手術となります。小さく切開し、なるべく患者さんに負担をかけないようにし、切除したら縫合して終了となります。局所麻酔では困難なほど大きい場合は、入院しての全身麻酔下での手術が必要になります。