禁煙外来とは
- 現在、喫煙をしており、禁煙をしたいと考えられている方を対象にした外来になります。そもそも禁煙というのは、自らの意志で達成することは難しいとされています。なぜなら、タバコに含まれる成分のひとつであるニコチンが、身体的、そして心理的な部分においても強い依存性を引き起こすとされているからです。つまり、喫煙者というのは薬物依存の状態にあるといっても過言ではありません。それゆえ、タバコを止めたいと思っていてもなかなか困難な状態となってしまうのです。決して意思の弱さではなく、依存症のひとつと認識し、医師の診療を受けられるようにしてください。
- また、タバコはニコチンだけでなく、発がん性物質などの有害物質も含まれているので、肺がんをはじめとする全身のがん、心臓病、COPDなどの呼吸器疾患を発症するリスクを高くさせます。さらに家族のいる方、とくにお子さんが副流煙を吸う(受動喫煙)ようになると、喘息や肺炎などの病気に罹患しやすくなるなど、ご自身や周囲の方々の健康を損ねるようになりますので、健康管理といった点からいっても禁煙が望まれます。
健康保険が適用されることもあります
なお禁煙治療につきましては、初回の診察時にある条件を満たしていると医師が判定すると健康保険が適用されます。その条件については、以下の表をご覧ください。ちなみに保険適用が受けられなくても全額自己負担とはなりますが、治療そのものを受けることは可能です。
- ニコチン依存症を診断するテスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
- 1日の平均的な喫煙本数×喫煙年数が200以上
- 今すぐにでも禁煙したいと考えている
- 文書にて禁煙治療を受けることに同意している
禁煙治療に関して
診断の結果、治療が必要と診断されると禁煙補助薬を医師より処方されるようになります。当クリニックでは、バレニクリン(商品名:チャンピックス)による薬物療法となります。
バレニクリン酒石酸塩錠(チャンピックス)
- これはニコチンの成分を含まない薬ですが、服用によって脳内のニコチン受容体に働くようになります。それによって、ニコチン切れによって現れるイライラなどの症状は抑えられます。
- この場合、薬を飲み始める際は喫煙しながらの開始となります。服用を始めてから8日目に禁煙をスタートします。ただ、同薬を服用しながらの喫煙は、タバコを吸ってもおいしく感じさせない効果が作用するようになるので、8日目を待つまでもなく禁煙を開始する患者さんもよく見受けられます。つまり同薬は、ニコチン切れによる症状だけでなく、喫煙による満足感(おいしいと感じる など)も抑制するようになるのです。服用は12週間程度続けていくことになります。期間中は途中で止めることなく、医師の指示に従うようにしてください。また服用中は何度が通院いただくことになります。
- 副作用につきましては、吐き気、不眠症、頭痛などの症状が報告されています。このほか、うつ病の患者さんが服用するとうつの症状を悪化させることがあります。